シリーズ 新] 健康食品の時代 

by さとみ薬局

我が国には昔からセンブリやドクダミのように今でも広く民間に使われている薬草が沢山あります。世界中どこの国でも日本と同じように沢山の薬草が使われています。また最近の分析技術の進歩により新物質も発見されて、新しい医療に使われる薬草も出てきました。このページでは世界のヘルスフードをご紹介いたします。
 
人生80年は当たり前。病気を克服できれば120歳まで生きられるという計算結果も出ているのです。
 
合い言葉は「ピン ピン コロリ!」 元気で長生きしましょう

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世界のヘルスフード目次  
Vol.10
プロポリス
Vol.9 アガリクス 免疫機能を高め、血圧やコレステロール値を低下させる効果も
Vol.8 キャッツクロー 足腰の痛み、関節炎痛に効果、リンパ球増加で免疫力を向上
Vol.7 グルコサミン 変形性関節症への効果に注目
Vol.6 エゾウコギ 体調を交通整理、自然治癒力を高め、パワーアップ
Vol.5 セントジョーンズワート 昼はパッチリ、夜はぐっすり
Vol.4 ノコギリヤシ 前立腺肥大の改善に効果
Vol.3 イチョウ葉エキス フランスやドイツでは痴呆や心臓病の薬で認知
Vol.2 ウコン 強肝効果と健胃作用、色素成分クルクミンに抗がん効果
Vol.1 エキナセア 人気のハーブ、風邪の初期症状緩和








          

キャッツクロー  アマゾン原産の大型のツル植物で,その名はツル全体に見られる猫のつめ(クロー)に似たフック状のトゲに由来する。アマゾン流域の原住民たちは,二千年以上にわたって樹皮や根を煎じて飲み,万能薬に利用してきた。
 伝統的に知られる効能としては,喘息,産後の回復、関節炎、リウマチ,骨の痛み、炎症止め,胃潰瘍、ガン、淋病、赤痢、糖尿病などが挙げられている。
 1970年代にオーストリアのクラウス・ケブリンガー博士によって行われた研究が特許につながり、世界的に注目されるきっかけになった。
 キャッツクローで最も重視されているのは,その樹皮や根に含まれている6種類の塩基性物質アルカロイドだ。そのアルカロイドのうちある種のものを少量服用すると、リンパ球(白血球)の数を増加させる事により免疫機能を最大50%向上させる事が報告されている。またがん患者が化学療法や放射線療法などの従来の治療
法と平行して、キャッツクローを利用すると、抜け毛,体重
の減少、吐き気などの副作用が減少する、という報告もなされている。
 キャッツクローのアルカロイドには抗リウマチ特性があることが臨床的に実証されている。さらにキャッツクローに含まれる植物性ステロールやキノビックアシッドグリコサイドと呼ばれる新しい植物化学成分は,強力な抗炎症作用をもたらす効果があり,関節炎などに有効とされっる。最近はこれらの成分には抗ウイルス特性があるとする研究報告もなされている。
 アルカロイドのあるものは、高血圧に対する効果と血管拡張神経特性があることも実証されている。血小板の凝集や血栓症を抑制したり、内皮細胞の血管をリラックスさせたり、血中コレステロールを低下させる効果を持つものもある。
 キャッツクローは健康食品として、カプセルや錠剤、ハーブティーなどの形で販売されている。いまのところキャッツクローに関して副作用は確認されていない。 (医療ジャーナリスト・林 義人)

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グルコサミン カニの殻を原料にして作られる健康食品といえば、多くの人がキチンやキトサンを連想するだろう。そのうちキトサンを加水分解して、さらに低分子化する事によって生まれるのがグルコサミンという物質だ。グルコサミンは、もともと動物の軟骨などに含まれる天然アミノ糖の一種であり欧米ではグルコサミンの変形性関節症に対する作用が注目されている。
 変形性関節症は、ひざ(しつ=ひざ)関節の老化によって起こる。関節でつながった骨と骨は、それぞれが弾力のあるクッションに覆われていて、滑らかに動かす事ができるようになっている。ところが、年をとるとクッション役をする軟骨がすりへって弾力性がだんだんと失われてくる。軟骨がすり減るのは成分であるグルコサミンを体内で合成する能力が衰えるからと考えられる
 この結果、骨同士が直接触れ合うようになり、痛みを覚えるようになるのである。従来こうした症状には鎮痛剤や抗炎症剤などの飲み薬や、ステロイド剤を関節の中に注射するなどの治療が主流だっ
たが、一時的に痛みをやわらげる事はあっても根治せず、場合によっては副作用が生じる場合もあった。
 そこで軟骨を補うためにグルコサミンを材料にした健康食品が登場した。欧米では20年以上前からグルコサミンの経口投与によるさまざまな臨床試験が広く行われており、イタリアなどではすでに治療薬として認められている。米国でも売上が急増中だ。
 日本の聖マリアンナ大学難治病研究センターが36人の変形性関節症患者を対象に行った臨床実験では、服用開始後2〜4週間後から痛みが軽減する例が多く、93.1%が服用を「よかった」と回答しているという。グルコサミンは、痛みを軽減する効果ばかりではなく、結合組織の生成を促進し、損傷を受けた関節を修復する効果も考えられる。今のところグルコサミンの有害性については報告されておらず、軽症の変形性膝関節症の人は試す価値がありそうだ。
(医療ジャーナリスト・林義人)

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エゾウコギロシアサハリン州、中国黒竜江省、吉林省、北海道東部など、世界的に見ても狭い範囲に限られ自生が見られる。朝鮮人参と同じウコギ科の植物だ。
 中国の漢方植物の最も古いものの一つで「刺五加」と呼ばれ、強壮作用、老化防止、長寿作用があるといわれてきた。
 現在の中国では国の治療薬として指定され、主に心血管、神経衰弱などの治療に使用している。
 エゾウコギについての実験・研究が始まったのは、1960年代になってからだった。旧ソ連のアカデミーの研究チームが、朝鮮人参とエゾウコギの類似性を調べるうち、エゾウコギには、朝鮮人参に勝るとも劣らない効果があることを発見したという。
 エゾウコギには人間が本来持っている機能を回復させ、自然治癒力を目覚めさせる作用があるといわれる。体が活性化しすぎるときは低くし、活性が弱い時は強化
する。この作用をもたらす主成分は、根や茎の部分に多いエルセロシドという物質だ。例えば、ホルモンは過剰でも不足していても障害が生じるが、その作用を適正化する作用がある。他の薬品とエゾウコギを併用すれば、薬品の作用を緩和させられる。
 臨床試験により、さまざまなストレスにさらされている人がエゾウコギを利用すると、精神的思考力が強化され、集中力が向上する事が報告されている。また、免疫細胞であるTリンパ球細胞を強化するとの報告もある。
 この様に自然治癒力が向上する事により、エゾウコギは、例えば狭心症、慢性気管支炎、高血圧、低血圧、放射線による損傷など多岐にわたる疾病の予防や治療に有効である。
 エゾウコギの安全性は非常に高いとされるが、多量を長期にわたって何回も摂取すると、軽い不眠症、イライラ、憂うつ感などの症状が表れるという。
(文:医療ジャーナリスト・林 義人) 

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セントジョーンズワート
 和名を西洋オトギリソウといい、ヨーロッパ、アジア、北アフリカ、北米などに分布する薬草だ。アングロサクソン民族の間で古くから民間薬として用いられており、“サンシャイン・サプリメント”(太陽の光の補給食品)とも呼ばれてきた。「暗闇に光を与えるハーブ」として、抑うつや不眠に用いられている
 精神科の領域では、数年前から「プロザック」という抗うつ剤が話題になっている。これはSSRIという薬剤に分類される物で、神経伝達物質のセロトニンの脳内濃度を高める作用がある。うつ病などの患者はセロトニン濃度も低下しており、このことが気分を不安定にし、神経過敏にすると考えられるが、SSRIは顕著な改善効果を示すことが多い。で、セントジョーンズワートも同じような働きをすると見られることから、「天然のプロザック」と呼ばれている。毎年20人に1人がうつ症状に悩まされているという米国では抗うつ剤の代用として気軽に買えるハーブのセントジョーンズワートの人気が高まっている。
 人前にでると疲れやすい人や、毎日を明るく過ごせない人、落ち込んで元気が出ないなど、うつ気分に悩む人たちに指示され、すでに年間売上は4億ドル(420億円)を超えたという。プロザックはめまい、ふるえ、眠気、体重減少、不眠、下痢、頭痛等の副作用が出る事があるが、このハーブはむしろ睡眠の質を高め、安心して服用する事ができる。ただし、まれに日光過敏症が出る場合があり、多くの研究者は最長8ヶ月から12ヶ月で一度服用を中止する事を勧めている。
 このほかセントジョーンズワートは、HIV(エイズウィルス)をはじめとするレトロウィルスの増殖を妨げる作用があることが確認されているという。人間に対しての治療効果はまだ確認されていないが、実際のエイズ患者への臨床研究も始まっている。日本でも栄養補助食品として手軽に入手できるようになってきた。(医療ジャーナリスト・林 義人)

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ノコギリヤシ北南米に広く分布しているノコギリヤシは、春に白い花をつけ高さ1〜2m程に成長する低木のヤシの一種だが、まれに6mをこえるものもある。その名はノコギリの歯のようにとがっているところに由来する。赤い実をつけるが、先住のインディアンや移住民達はこれを強壮薬として用いてきた。
 ノコギリヤシエキスには、前立腺肥大を改善する効果があるといわれる。フランス・イタリア・ノルウェー・スウェーデンなどの欧州諸国ではその生理効果が認められて医薬品として認可されている。
 中年過ぎの男性は、やたらトイレが近くなったり、尿の出が悪く残尿感に悩まされたりしがち。男性のみの臓器である前立腺が肥大し、尿道を圧迫してしまう事が原因だ。進行すると腎機能の低下によって尿失禁や尿閉という重い症状になり、性生活にも障害を与えてしまう。実際には決め手となる薬物療法がまだ確立されていないために最後は外科手術となることが少なくない。
日本人に 前立腺肥大が多くなっているのは、食生活の欧米化に伴い、肉食や高脂肪食が増えてきた事が一因とみられる。日本人男性は確率的に五十歳以上の20%、七十歳を超えると半数以上が前立腺肥大症やその予備軍といわれ、推定患者数は約400万人とみられる。
 全立腺肥大の原因は、男性ホルモンの関与がもっとも有力とされている。加齢によりテストステロンという男性ホルモンの生産量が低減するとともに、活性型のジヒドロテストステロンというホルモンに変化する。これがタンパク質受容体に結合し、細胞膜の生成・分裂を誘発するとみられる。
 ノコギリヤシの果実エキスは,この過程でジヒドロテストステロンの生成を抑制する一方で、たんぱく質受容体とジヒドロテストステロンの結合を阻害する役割があるとされる。
 ノコギリヤシは日本、米国などで、主に錠剤のサプリメントとして市販されている。(医療ジャーナリスト・林 義人)
                      


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イチョウ葉エキス  中国では四千年近く前からイチョウを薬として用いている。欧米の医学者がイチョウの生命力に注目し始めたのは約三十年前くらいの事だ。イチョウの葉に特有なフラボノイドやテルペノイドなどの有効成分を独自の技術で精製抽出した「イチョウ葉エキス」は研究の末に、末梢血流、特に大脳の血流障害や脳動脈硬化に作用し、ボケなどの老人病に有用であるとの結論が出された。
これらの研究成果により、イチョウ葉エキスは西ドイツにおいて正式に医薬品の認可を受け、臨床上広く実用化されるようになり、フランスやスイスなどヨーロッパ諸国でも顕著な臨床効果が報告されるようになっている。
1980年代にはフランスで、87年にはドイツで、イチョウ葉エキス製剤が全医薬品中売上ランキング第一位になっている。90ねんだいにはいって、大量生産体制を確立し、アメリカでも、ハーブ製品のランキングではガーリックなどと共にトップクラスを占めるようになった。
日本でもすでに60社以上のメーカーがイチョウ葉エキス製品を「健康食品」として販売している。しかし脳神経や痴呆を専門とする臨床医の認識は、欧米でヒットしているのにかかわらず低い。92年、イギリスの有名な医学雑誌「ランセット」誌に多くのイチョウ葉エキスの使用試験の結果が掲載された。慢性脳循環不全による脳機能障害に伴うめまい、耳鳴り、頭痛、記憶力低下、不安感を伴う精神症状などの諸症状について四十のの試験結果が紹介されている。
日本では慶応大医学部神経内科の植松大輔講師らが、20人の脳血管障害後遺症やアルツハイマー型痴呆症の患者(平均年齢69歳±8歳)にイチョウ葉エキスを投与する臨床試験を行っている。臨床症候や脳の血流を画像化するSPECT(ポジトロンCT)で脳の局所の血流変化を観察した結果、頭痛・頭重や耳鳴り・頭鳴が改善し、患者たちは、「頭がすっきりしてやる気が出てきた」と話している。(文:医療ジャーナリスト・林義人)

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ウコン   熱帯アジア原産のショウガ科の多年草。英語名では「ターメリック」という。
 カレーの黄色い色素の原料としておなじみだ。その種類は20〜30種に上るといわれる。日本へは江戸時代の中頃に入ってきた。現在は主に沖縄、奄美大島などで栽培されている。
 ウコンの薬効は、約四百年前に書かれた中国の薬物書:本草綱目にも記されている。古くから肝臓や腎臓にいい生薬として用いられ、痔、切り傷、関節炎などに使われてきた。琉球王朝では秘薬として専売制を敷いていたほどである。
 数年前、米国で、ウコンの薬理効果についての研究結果が発表されてから、一躍脚光を浴びるようになり、一千種類以上もの成分を含む事が分ってきた。最も代表的な色素成分のクルクミンは、抗がん物質として非常に期待が高い。科学技術庁・厚生省・文部省が合同で1994年度から開始した「がん克服新十ヶ年計画」でも研究課題の一つとなっている。
 名古屋大農学部の大沢俊彦教授らは、クルクミンが腸管から吸収されると、「テトラヒドロクルクミン」という物質に変換される事を実験によって確かめた。この物質はガンなどを作る元になる毒素の活性酸素を捕まえる非常に強力な作用がある。
 さらに同教授らは国立がんセンターとの共同研究で、ねずみを使って大腸がんを抑える作用について調べた。他の部位のがんを抑えるという報告もある。
 そのほかウコンは約百種類ほど確認されている精油成分や、各種ミネラル、食物繊維などを含んでいる。肝臓の強化、胆汁の分泌促進、利尿効果などもあるといわれる。
 ウコンは生、乾燥品、粉末、錠剤、液体などさまざまな形状の物があり、さらにウコン入りのドレッシングやせっけんなどのウコン製品も、健康食品店や薬局で販売されている。
 日本では、食用として使われる事が多く、カレー粉の中には20〜40%ほどのウコンが入っている。
(文:医療ジャーナリスト・林義人)

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エキナセア   北米のカナダからテキサスまでの中西部の限られた地域にしか原生していない多年草植物だ。エキナセアは世界的にも非常に人気の高いハーブで米国ではここ数年ベストセラーとなっている。何千年もの間、北アメリカインディアンの間で使われてきたハーブだが医療用として認知されたのは近年に入ってからだ。
 米国ではエキナセアは、主に風邪の初期症状の緩和に用いられている。エキナセアは身体の免疫機構を向上させ、抗ウイルス作用を持つ白血球の生産を促進する作用があるとされる。1998年、ドイツのミュンヘンにある民間療法を研究するグループが、289人の被験者を対象にエキナセアを摂取してもらった所10〜20%の割合で風邪やインフルエンザを予防したと発表している。
 米シアトルにあるバスティール大学のシェリル・バーマン博士は、エキナセアの抽出液が感染菌と闘う能力を備えたT細胞を生成したり、免疫反応の強さと機能を調節するサイトカインと呼ばれる因子の増殖に大きく貢献する事を発見した。
 このようなエキナセアの免疫機能回復機能は、植物の持つポリサッカライドという多糖類によってもたらされるといわれている。なかでもアラビノガラクタンと呼ばれる物質が大きな役割を持つらしいことが、米国がん研究書の機関紙に報告された。
 アメリカインディアンたちは、風邪ばかりでなくエキナセアを広範囲にわたって利用してきた。主に外用には葉を、内服には根を中心に全草を使用している。現在では、抗生物質作用、抗ウイルス作用、抗炎症作用があり、免疫系、リンパ系、各腺の炎症に有効とされるようになっている。免疫細胞の活性化が見られる事から、抗がん効果も期待されている。
 エキナセアは健康補助食品として販売されている。しかしヒナギク科の花にアレルギーのある人は、エキナセアでもアレルギー反応を起こす可能性があるので要注意だ。
(文:医療ジャーナリスト・林義人)

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