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1人でできる! 突撃取材篇 七輪陶芸・中島さんに会いにいく

中島さん写真   La Mer La Terre et Le Feu
しんちゃんの海,土と火
七輪陶芸と水中写真
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中島紳介


■炎の編集長体験記
七輪陶芸オフを襲撃する その2
 七輪陶芸に必要なものは、まず、七輪。そして、大量の炭だ。
 中島さん、やおら家の奥から炭の包みを出してくる。私が家でバーベキューのときに使っている普通の炭だ。それをガンガンと叩いて細かく砕く。そして七輪に炭を熾こす。ここまでの過程はサンマを焼くのとたいして変わらない。炭が燃え出すとかなり熱い。
「七輪陶芸のオフ会は、あんまり夏にはやりたくないかもね〜」
 と、軟弱なインパクチームは呟く。

 最初は素焼きである。ドライヤーで乾かした土器を素焼きする。いきなり高温で焼いたら割れてしまうからだろう。

 中島さんは、遠火になるようにドラム缶の筒で七輪に細工した。それから、餅を焼くみたいな網を載せてそこに私たちの作った器を並べて軽く蓋をする。
 こうして描写していると、まるでお料理してるみたいだ。
「どれくらい素焼きするんですか?」
「そうねえ、だんだん色が変わってくるから、それを見ながらなんとなくね」
 いいなあ、アバウトで。このアバウトさが七輪陶芸の魅力かも。

 さて、市販の七輪の隣に、妙な形の小さな窯と手作り七輪の二つが並ぶ。こちらは、中島さんが特注で作ってもらったのだそうだ。どちらも市販の七輪より一回り大きいかな、って感じ。でも、りっぱな窯である。
 その窯の中にも炭をガンガン入れて燃やす。そして、空気穴からドライヤーで風を送る。ふいご代わりというわけだ。七輪陶芸ではドライヤーが大活躍する。
 ふと見ると、中島さんの七輪陶芸仲間のDENさん、そらさんも軍手をはめて炭を砕きだした。DENさんは横浜の青葉区で器のお店を開いている。そらさんは相模原で企画デザインの会社をやっている。みんなネット上で知りあった七輪陶芸仲間だそうだ。

 それにしても、横浜の青葉区だって、相模原だって、中島さんの家のある埼玉県の寄居からはかなり遠いよなあ。それをわざわざ連休中にデートもしないで七輪陶芸にやって来るのである。いいなあ、これがネットワークの醍醐味ってもんだぜ。
 パソコン通信の黎明期からネットで遊んでいた私は、なんだかじんときてしまう。思えば私も本当にいろんなオフ会に出たなあ。毎週毎週、あっちこっちのフォーラムのオフ会に出ては日本中の知らない人たちと遊んで歩いたなあ。蟹を食べるために福井に行ったり、ラーメンを食べるために北海道まで飛んだりしたなあ。

 走馬灯のようなオフ会の思い出に私が浸っているうちにも、窯の火はガンガン燃え出した。窯の色がほんのりと赤くなってくる。だいぶ温度が上がったようだ。
 七輪トリオのあまりのチームワークの良さに、インパクチームは為す術もなくぼう然と窯の火を見つめる。三人はまるで前世からいっしょに七輪で炭を燃していたかのごとき手際の良さである。

 見ているうちに、あっという間に最初の一袋の炭がなくなる。
「だいだい、四袋くらい燃しますね。七輪陶芸では、この炭の灰が溶けて釉薬の変わりにもなるんですよ」
 ほうほう。メモメモ。いよいよ素焼きが終わったようだ。なるほど、見ると乾いて白っぽく変色している。

素焼きはそろそろOKのようです いよいよ、素焼きした器を熱した方の窯の中に放り込む。案外、無造作に放り込む。そしてその上からドサドサと炭をかぶせて、再び蓋をする。大胆素敵。

「窯を使わず、七輪オンリーでも本焼きできるんですか?」
「できますよ、それもやってみましょうか」

 ドラム缶の筒を載せて、簡易の窯状にした七輪の中にも器を並べて、そこにもどさどさと炭を入れる。私がこねた器も、窯の中に入った。

「これで、どれくらい焼くんですか?」
「そうねえ、20分くらいかな」
「ええっ? そんなに早く焼けるの?」

 そうなのだ、このスピードが七輪陶芸のいいところ。昼に土をこねたものが、もう4時には焼き上がってしまうのだ。

 20分たったら、私の作った縄文顔面植木鉢が陶器になって出てくるのね。私はじっと火を見つめた。ドライヤーはフル稼働で窯に風を送り込む。火力が命。窯の温度を上げるのが大変だ。

 そうこうするうちに、ご近所の中島さんのお友達がお酒やつまみを持って集まって来た。
「おおい、俺の焼けたかい?」
「まだだよ、今、窯に入っているよ」
 ご近所のみなさん、テーブルの上につまみを並べてやおら宴会を始める。インパクチームもさっそくビールや日本酒、地元産のコンニャクをご馳走になる。
「俺のぐい呑みが焼けたら、それで酒を飲むんだ」
 なるほど。今日焼いたぐい呑みでさっそく宴会とはオツなものだ。

田口さんの作品。なかなか冷えません。 およそ、30分、ついに窯から私の縄文顔面植木鉢が出てきた。
 きゃーー、やったー、焼けてるじゃん。出したばかりは当然のことながら熱くて触れない。私は遠目に自分の作品をうっとりと眺める。なんかうれし〜。
 確かに灰が釉薬がわりになって微妙な色合いが出ている。たくさん灰をかぶった部分はつやつやしていてとてもきれい。

 やっと手にもてるくらい冷めたので、なでなでする。他の皆さんは、もう自分のぐい呑みに酒をついでいるが、ひびが入ってお酒はじょぼじょぼ漏れていた。
「おいおい、漏れちゃうよ」
「漏れたら、それも植木鉢だな」
 ようするに、ひびの入ったぐい呑みは植木鉢になる運命なのだ。私のは最初から植木鉢だもんね。へっへっへ。

 インパクチーム全員の作品が焼き上がったので、中島さんに記念撮影していただいた。それぞれに自分の焼いた陶器をみやげにもって、お礼を言っておいとました。

できあがりましたー ほのぼのしたいいオフ会だったなあ。
 それに、なんだか私にも出来そうな気がする。家に帰ってさっそく夫に「七輪買って、陶芸やろうよ〜」と言ったら、かなりその気になっていた。

 七輪で陶芸やって、残った炭でサンマを焼いて、自分の作ったぐい呑みで酒を飲む。なんて贅沢なんだ、トレビアン。
 ちなみに、私の縄文顔面植木鉢は、シダを植えて机の上に飾ってある。
 かなりいいんだ、これが。次は、火焔土器風のを作りたいな。



田口ランディ


■炎の編集長体験記
七輪陶芸オフを襲撃する その1
七輪陶芸オフを襲撃する その2 NEW


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